安室さん公演「療育手帳」入場拒否 毎日新聞が報道


 安室奈美恵さんの最終コンサートツアーで、知的障がい者に発行される「療育手帳」を身分証として提示した人が入場を断られていたと、9月20日の毎日新聞や夕刊フジが報じ、波紋が広がっています。【→詳細は本文】


 

 最初に報じたのは、2018年9月19日の毎日新聞電子版(本紙は20日付東京本社版朝刊総合面)。「安室奈美恵さんら著名アーティストのコンサートツアーで電子チケット業務を管理しているボードウォーク(東京都千代田区)は、コンサート会場での本人確認の際、知的障がい者に発行される「療育手帳」を身分証として提示したのに入場を断られた観客に対し、チケット代を返金する方針を公表した」と報じました。

 9月20日の夕刊フジ(産経新聞社発行)は、療育手帳を身分証として認めなかったことについて同社は「複数の呼称や様式があり、大規模コンサートにおける本人確認作業になじまないとの判断だった」と釈明している、と伝えています。

別の場所に連れて行かれ…ダウン症の女性入場拒否

 さらに9月26日電子版の毎日新聞は、「ダウン症の妹『来年は入れるよね?』 母は絶句」の小見出しをつけて、母親と3人姉妹で福岡のコンサート会場を訪れた宮崎市のダウン症の女性・愛子さん(34)の家族を取材。
 開演2時間前に入場ゲートに着き、係員に身分証を見せたところ、療育手帳を見せたダウン症の愛子さんだけ別の場所に連れて行かれてしまった。(中略)係員は「入場できない」の一点張り。やむなく愛子さんの入場を諦め、母親が付き添って会場の外に残り、姉と一番下の妹だけで入場した。と同紙は伝えています。
 ボードウォーク社は昨冬のチケット販売開始当初、障害者手帳も身分証として有効と公式サイトで説明。その後、今年3月上旬になって身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の2種類に限る旨の注意書きを加えていたが、愛子さんが入場拒否されたのは、この注意書きが公表される前だった、とも報じています。

 同じような訴えは他にもあり、「あまりぐずぐずしていると警察を呼びます」と、2月の名古屋のコンサートで、知的障がいがある愛知県田原市在住の女性が療育手帳を出して認められず、押し問答になった末、係員にそう言われた、という事例も同紙は掲載しています。

 同紙電子版は、国会議員が厚生労働省に対応をただすなど問題は広がりを見せている、と詳細を報じています。
 この記事の一部は、本紙では9月28日朝刊総合面「アクセス」欄に掲載されています。

「8月から指定身分証として取り扱うようにした」

 9月27日の毎日新聞電子版は続報として、ボードウォーク社は9月27日に毎日新聞に対してメールで「療育手帳が公的な証明書であることを当社として確認できましたので、8月から指定身分証として取り扱うようにしました」、「今後とも改善を重ねてまいります」などと回答。これまで何件くらい返金の求めがあったのかなど詳細については答えなかった。と同紙は伝えています。

 ボードウォーク社は、サイト(https://boardwalk-inc.jp)に8月26日付で、「お詫びと今後の取扱いの変更について」を掲載。
 「不快な思いをされた方に対して深くおわびします」としたうえで、「療育手帳は身分証として相当程度認められていることや、障害者の皆様の不利益を少しでも少なくして快適な生活を営んでいただくことの重要性を踏まえ」、療育手帳を本人確認のリストに加えたとし、入場拒否された人の返金手続きについて記載しています。

「返金受付は9月30日まで」 8月26日にサイトで公表

 毎日新聞は、ボードウォーク社は9月30日まで、公式サイトで療育手帳で入場を断られた客を対象に返金の申し込みを受け付けているが、そのことを公表したのは8月26日だった、とも伝えています。


【毎日新聞記事】2018年9月19日「安室さんコンサート 療育手帳提示で入場できず 返金へ」https://mainichi.jp/articles/20180920/k00/00m/040/030000c

【毎日新聞記事】2018年9月26日「安室さんコンサート 療育手帳で入場断られ…『取り返しがつかない』憤りの声」https://mainichi.jp/articles/20180926/mog/00m/040/017000c

【毎日新聞記事】2018年9月27日「安室さんコンサート チケット業者 8月まで療育手帳を証明書とみなさず」https://mainichi.jp/articles/20180927/mog/00m/040/010000c