個人特定3033人 強制不妊、8割は確認できず


 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らへの不妊手術が強制的に行われた問題で、個人名が特定できたのは27都道府県の3033人にとどまるとの調査結果を、厚生労働省が9月6日まとめました。旧厚生省の統計では、不妊手術は2万4993人が受けたとされていて、記録の確認は約12%しか確認できませんでした。【→詳細は本文】


 

 これは、 厚労省が国会内で開かれた与党ワーキングチームの会合で報告したもの。
 厚労省が今年4月、都道府県や政令市など150自治体に、資料が残っていないか調査するように求めていました。
 この調査で、不妊手術について、個人が特定できる資料が残っていたのは27都道府県の3033人分。いずれも本人の同意がないものでした。

 最も記録が多く残っていたのは、宮城県の900人で、以下、北海道830人、埼玉県330人、千葉県318人、和歌山県127人、石川県126人、山口県105人の順。
 一方、記録が全く確認できなかったのが、岩手県、福島県、栃木県、富山県、福井県、山梨県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、大阪府、島根県、徳島県、高知県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、鹿児島県、沖縄県でした。

 9月7日の読売新聞は、「厚労省は医療機関や福祉施設に残る資料の確認も自治体に求めており、個人を特定できる資料は増える可能性もある。今後、見つかった資料の開示方法や、記録がない人への対応などが議論になるとみられる」と報じています。
 また、9月6日の産経新聞は、「与党ワーキングチームは来年の通常国会への提出に向け救済法案の作成を目指すが、記録が残っていない人も救済できる仕組みを検討するという」と伝えています。

 また、この日厚労省は同日、同法見直しの10年前の1986年の内部資料も公開。
「取り扱い注意」と記され、「各方面から問題点が指摘されている」とし、同法の目的に「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」とあるのに対し「優生上の見地とは?」、「不良な子孫とは?」と疑問視。また手術の必要性について「人道的にも問題があるのでは?」などと列挙した。5カ年計画で同法を全面改正するための手順や予算が具体的に書かれていた。と、2018年9月7日の朝日新聞電子版が報じています。

《強制的に手術された人数と、個人名が確認できた人数》
北海道 2593/830
青 森  206/  1
岩 手  284/  0
宮 城 1406/900
秋 田   97/  1
山 形  445/ 49
福 島  378/  0

茨 城   54/  3
栃 木  254/  0
群 馬   21/ 16
埼 玉  405/330
千 葉  174/318
東 京  483/ 11
神奈川 420/ 55

新 潟  267/ 11
富 山  118/  0
石 川   88/126
福 井   37/  0
山 梨   55/  0
長 野  387/  2
岐 阜  347/  0
静 岡  530/  0
愛 知  227/  0
三 重  110/  0

滋 賀  282/  5
京 都   95/ 13
大 阪  610/  0
兵 庫  294/ 24
奈 良   20/  1
和歌山 103/127

鳥 取   11/  7
島 根  123/  0
岡 山  845/  1
広 島  327/ 13
山 口  181/105

徳 島  391/  0
香 川  180/  1
愛 媛  155/  7
高 知  179/  0

福 岡  344/  0
佐 賀   86/  0
長 崎   51/ 51
熊 本  204/  0
大 分  663/  0
宮 崎  229/ 25
鹿児島 178/  0
沖 縄    2/  0
不 明 1536/ ――
合 計16475/3033
(厚生労働省資料 読売新聞2018年9月7日付)