障がい者雇用3460人水増し 国の27機関で


 中央省庁が義務付けられた障がい者の雇用割合が40年以上にわたり水増しされていた問題で、厚生労働省が調査の結果を8月28日に発表。総務省、国土交通省、国税庁など全体の約8割にあたる27機関で、計3460人分が国のガイドラインに反して不正に数えられていました。2.49%としていた雇用率は、実際には1.19%でした。【→詳細は本文】


 

 8月28日の日本経済新聞は、「水増しは内閣府や総務省、国土交通省など全体の約8割にあたる27の機関で発覚。法務省や財務省、外務省、気象庁、公正取引委員会などでも見つかった」と報じています。
 省庁別の水増し人数ワーストは、0.5人分とカウントする短期雇用を含めて国税庁が1022.5人と最も多く、国土交通省が603.5人、法務省が539.5人、防衛省が315.0人と続きます。
 障害者雇用促進法は、企業や公的機関に一定割合の障害者を雇うよう義務づけているものです。厚労省は国の33の行政機関の障がい者雇用数について昨年6月時点で約6900人としていました(現在の国の法定雇用率は2.5%。)。
 当時の法定雇用率は2.3%で、主な省庁・機関が発表していた数字は、最低でも総務省が2.3%でぎりぎりクリアしているようにみえていましたが、実際には0.76%。平均で法定の約半分の1.19%と、意図的な操作と指摘されても仕方がないほどの “絶妙な数字”が並んでいたことがわかります。

 厚労省のガイドラインでは、雇用率に算入できるのは原則、身体障害者手帳や療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人などとしていますが、8月28日の朝日新聞は「関係者によると、再調査の結果、大半の機関でこうした証明書類の有無を確認しないまま、障がい者数に不適切に算入している例があった」と報じています。

政府は、関係府省連絡会議を設置し、10月をめどに再発防止策などを検討し、第三者による検証も行うことになりました。


《国の33行政機関の障がい者水増し雇用数》
国 税 庁 1022.5人(2.47→0.67)
国土交通省  603.5人(2.38→0.70)
法 務 省  539.5人(2.44→0.80)
防 衛 省  315.0人(2.60→1.01)
財 務 省  170.0人(2.36→0.78)
農林水産省  168.5人(2.39→1.22)
外 務 省  125.0人(2.47→0.39)
経済産業省  101.5人(2.36→0.81)
総 務 省   70.0人(2.30→0.76)
特 許 庁   49.5人(2.36→0.50)
気 象 庁   47.0人(2.35→1.35)
文部科学省   35.0人(2.41→0.57)
環 境 省   31.0人(2.33→0.54)
公安調査庁   31.0人(2.36→0.38)
防衛装備庁   28.0人(2.63→0.54)
内 閣 府   27.0人(2.37→1.14)
内閣官房    22.0人(2.38→0.31)
林 野 庁   13.0人(2.34→1.66)
会計検査院   12.5人(2.54→1.57)
宮 内 庁   12.5人(2.43→1.08)
人 事 院   10.0人(2.40→0.75)
消費者庁     9.5人(2.54→0.12)
水 産 庁    8.0人(2.31→0.95)
厚生労働省    3.5人(2.76→2.76)
運輸安全委員会  3.0人(2.72→1.09)
観 光 庁    2.0人(1.73→0.00)
公正取引委員会  1.0人(2.23→2.05)
警 察 庁      0人(2.41)
金 融 庁      0人(2.42)
原子力規制委員会   0人(2.38)
内閣法制局      0人(2.60)
個人情報保護委員会  0人(0.00)
海上保安庁     −1人(2.41→3.01)
※2017年6月1日時点と今回の調査結果の比較。
※重度以外の短時間労働者は0.5人分としてカウント。
※カッコ内は%「調査前の雇用率→実際の雇用率」。


《実際の雇用率ワースト20》
観 光 庁   0.00
個人情報保護委 0.00
消費者庁    0.12
内閣官房    0.31
公安調査庁   0.38
外 務 省   0.39
特 許 庁   0.50
環 境 省   0.54
防衛装備庁   0.54
文部科学省   0.57
国 税 庁   0.67
国土交通省   0.70
総 務 省   0.76
財 務 省   0.78
法 務 省   0.80
経済産業省   0.81
水 産 庁   0.95
防 衛 省   1.01
宮 内 庁   1.08
運輸安全委員会 1.09